抗うつ剤の効果、副作用、種類について
title

抗うつ剤の効果、副作用、種類について

抗うつ剤の効果や副作用について

抗うつ剤の効果や副作用についてですが、抗うつ剤とはうつ病や不安障害全般の精神的な病の治療に効果のある薬のことです。

抗うつ剤

  • 更新日:

抗うつ剤といわれても専門家でもない限り服用することで実際にどのような効果があって、どのような副作用がおこるのかなど詳しく知っている方はいないと思います。ここでは抗うつ剤の効果や副作用、そして抗うつ剤の種類やその違いについて少しでも参考になるように書いていきます。

抗うつ剤の効果

抗うつ剤は、うつ病や不安障害、緊張やPTSD(外傷後ストレス障害)といった症状の改善に効果がある薬で、精神科でよく使われています。

抗うつ剤の効果はいつから?

抗うつ剤には即効性はなく効果を得られるまでの期間がおおよそ1~2週間ほどかかります。服用を続けていくことで大体1~2か月ほどで効果を感じ、改善されているこがわかってくる薬であります。そのため薬を服用したからすぐ効果がでるというよりは時間をかけながら徐々に症状を改善させていくものになります。

服用し始めの副作用

抗うつ剤を服用し始めには副作用が起こることがあります。個人差はありますが、吐き気やだるさ、眠気、胃腸障害といった副作用は来るのに、症状がまったく改善されていないと感じることがあります。しかし、薬を服用し続けることでこの症状が治まってきます。

抗うつ剤の服用時は用法、用量は守りましょう

抗うつ剤は服用してから効果を感じられるまでに期間がかかることで、効いていないのではと感じてしまい、自己判断で服用された用法、用量を変えてしまったりする人がいるのですが、これは決して良くありません。医師に処方された定められた期間は、用法、用量をしっかりと守り服用することが重要で、「もう治った!」などと自己判断で服用をやめてしまったりするとちゃんとした効果を得られなくなります。それだけでなく、治っていないことから症状が再発してしまうことがあります。再発してしまうと、今度は最初の症状よりも治療に時間がかかることが多いため注意が必要となります。

抗うつ剤の系統(種類)について

抗うつ剤は薬が開発された時期によって系統(種類)にわかれています。
三環系、四環系、SSRI、SNRI、NaSSA、その他の種類に分類されています。系統ごとに特徴があり、効果や副作用の強さが異なってきます。

では各系統(種類)について書いていきます。

三環系

強力な抗うつ作用を持つ薬です。

1950年ごろから使い始められているもっとも古い抗うつ剤になります。
強力な抗うつ作用をもっているので効き目がかなり強いです。その一方で副作用も強いという弱点があり、重い副作用へ発展してしまうケースもあります。そのため、他の抗うつ剤で効果がなかったかたや難治性の場合にかぎり処方が行われます。

四環系

副作用をおさえ誘眠作用に優れた薬です。

三環系の副作用の強さを改善して誕生した薬です。効果も三環系より弱く、眠りを誘う作用に優れている薬です。
三環系は効果がでるまで時間がかかり2週間ほどでしたが、この系統は1週間ほどで効果が期待できるため、即効性も改善されています。

抗うつ作用があまり強くないので、睡眠障害の症状があらわれるうつ病に用いられることが多い薬になります。

SSRI

SSRIは選択的にセロトニンが再取込みされてしまうことを防ぐ薬です。

SSRIは、脳に選択的に作用することでセラトニンが再取込みされてしまうことを防ぐ薬になります。脳内でのセラトニンの調整を行っている器官であるセラトニン受容体という部分に作用します。この物質が不足すると、うつ病の症状である「強い不安」「意欲や関心の低下」などを起こすので、脳内で再吸収を防ぐことで濃度が高められ、症状の改善を目指す薬となっています。

従来までは、三環系、四環系などが主流でしたが、これらは脳の他の部分にも作用してしまい「抗コリン作用」という副作用を起こしてしまいました。口やノドの渇き、便秘、胃の不快感などです。そこで誕生したのが、このSSRIという系統の薬で、部分的にしか作用しないので副作用が少ない薬と言われています。

セロトニンとは?

セロトニンとは人の幸福や喜びといった気分に影響する物質です。
脳内にあるセロトニンの濃度が低下するとうつ病の症状「強い不安」や「意欲や関心の低下」を引き起こしてしまいます。

SNRI

SNRIはセロトニンとノルアドレナリンに作用する薬になります。

SNRIは効果もあって、副作用も少ないのでバランスが取れた薬と言われています。セトロニンだけでなく、ノルアドレナリンにも作用し、濃度を高めることで、「やる気」や「集中力」を高めてくれます。SSRIと並んで、うつ病治療の一次選択となる薬になります。

SNRIの代表的な薬

NaSSA

SSRIやSNRIとは違い、物質の再吸収を阻害する薬ではなく、セロトニンとノルアドレナリンの分泌量を増やす作用によって抗うつ作用を発揮します。

SSRIやSNRIは三環境系の進化とされ、NaSSAは四環系が進化して誕生したものと言われています。四環系の特徴でもあった眠りを誘う作用には優れていて、抗うつ作用も強いと言われています。効果は強めですが副作用もやや強めに出てしまうことがあります。

抗不安薬

抗うつ、睡眠作用を持ち合わせる薬となり、精神安定剤とも呼ばれます。

服用することでうつ症状や不安や緊張といった症状の改善や緩和をする薬です。こころに抱える不安を和らげるため重宝されますが、即効性や効果が強くなるにつれて副作用や耐性、依存性を引き起こしやすい薬になります。

抗うつ剤の副作用

抗うつ剤の副作用 抗うつ剤は副作用が起こりやすい薬になります。系統により副作用の強さや症状が異なります。

各系統での副作用は以下となります

三環系

三環系は抗うつ効果が強いですが副作用のリスクも高い薬です。
症状としては、ふらつきや眠気、口の渇きや便秘、そして体重の増加といった内容です。過剰にとりすぎると最悪の場合死につながることがあります。

四環系

四環系は三環系よりも効果が弱い分副作用も三環系よりもリスクも低めな薬です。
眠気やめまい、ふらつき、そして体重の増加といった内容です。眠気の部分は睡眠薬として使われることもあります。

SSRI

SSRIは副作用が少なく安全性が高めの抗うつ剤です。ただし、吐き気やおう吐、性機能障害、不眠といったセロトニンに関与する副作用が起こります。

SNRI

SNRIはSSRIと同様に副作用が少ない系統になります。起こる副作用はアドレナリン系に関連する不眠、頭痛、血圧の上昇、動悸、性機能障害なとがあります。

NaSSA

NaSSAも新しい抗うつ剤となるのですが抗うつ作用が強めであり副作用は若干高めとなります。
症状は、ふらつきや眠気、副作用により食欲が増すため体重の増加といったことが起こります。

抗うつ剤の離脱症状について

離脱症状は、くすりの服用で起こる症状ではなく、日常的に服用を続けていたくすりを中止したり、やめたりすることで起こる症状です。

抗うつ剤を日常的に服用をし続けているとその状態にあたり前となりからだが慣れてしまいます。その状態で薬の服用を急にやめると、これまで体内に取り込まれることがあたりまえだったのにとつぜん薬が入らないことでからだが変化に対応できずにさまざまな症状が起こることがあります。この症状を離脱症状と呼びます。
正式には「抗うつ薬中断症候群(こううつやくちゅうだんしょうこうぐん)」と言います。

離脱症状になりやすい薬となりにくい薬

離脱症状になりやすい抗うつ剤は半減期(血中の濃度が最大になりその後半分になるまでにかかる時間)が短いものがおおいです。その理由としては、半減期が短いと体内に取り込まれたくすりの成分が抜けるまでの時間も短い時間となるため、からだの中で行われる変化がより激しいということになります。すると、からだは変化に対応できずに離脱症状がおこります。

このことからくすりの効果が強く、半減期が短いものは離脱症状になりやすいとなります。また、量がおおかったり、つよい薬であればあるほど変化する内容も大きくなるため症状がおこりやすくなります。

離脱症状にならないようにするためには

離脱症状にならないようにするためには服用していた抗うつ剤を急激にやめるのではなく、計画をたてて、服用する量をゆっくりと徐々にへらしていくことが望ましいです。からだを慣れさせていくことが離脱症状になる確率をさげることにもつながります。

抗うつ剤を服用しているときも、やめる時も自己判断ではなく医師と相談をして行うことが副作用や離脱症状などにならず、より安全に服用することができるでしょう。

抗うつ剤で太る?

抗うつ剤で太る?

抗うつ剤の副作用で太るのか?をよく耳にしますが、太る可能性はあります。
どうして太るのかについてですが、すべての抗うつ剤の服用で太ってしまうということではなく、抗うつ剤の系統(種類)によって異なります。

三環系や四環系、NaSSAは服用後の副作用により体重が増加し太ることがあります。一般的に満腹中枢を刺激することで食欲が抑制されるのですが、薬の効果により作用内容が食欲増加の方向になってしまうからです。そのため食欲が増してしまい、結果的に体重の増加につながってしまい太ることになります。ただし、服用を中止すると数ヶ月で症状は元に戻ってきます

抗うつ剤の特徴や違いについて

これまで抗うつ剤の系統(種類)について記述してきました。

それぞれの抗うつ剤の違いについてまとめると、三環系は抗うつ効果が非常に強いが副作用も強いため、ほかの抗うつ剤が効かない時に最後に使われることが多い薬です。

四環系は効果は弱めになっているが、副作用も少なめで、睡眠効果に優れています。
SSRIやSNRI、NaSSAは新規抗うつ剤となり効果もきちんとあり、副作用のリスクも少ない薬になります。
NaSSAは新規の中でも作用基準が異なるため多少効果と副作用が高くなります。

抗うつ剤を服用する場合は、まず副作用の少ない新規抗うつ剤からスタートすることが望ましいです。

抗うつ剤と抗不安薬の違い

抗うつ剤と抗不安薬の違い

抗うつ剤と抗不安薬は似ているように思われがちですが、実際は系統(種類)が違う薬であります。

この2つの違いですが、抗うつ剤はや何かをしようとする意欲が起こらなくなってしまったり、何に対しても興味がなくなった。というような症状、いわゆるうつ状態やうつ病の治療で主に使われます。そして抗不安薬は不安や緊張、あがり症や興奮といった不安定になっている精神状態の症状を緩和する目的で使用される薬です。

抗うつ剤の作用

抗うつ剤ですが、名前のとおり主にうつ病やうつ状態の治療や改善のために使用されている薬であります。服用後すぐに効果があらわれるわけではなく、服用し始めてから効果を感じられるまでに早い薬で1週間、一般的には2~3週間ほどかかります。抗うつ剤はこのように服用し続けていくことで徐々に効果があらわれ症状を改善させていく薬になります。

抗不安薬の作用

抗不安薬は抗うつ剤と同様に精神科の薬になり精神安定剤ともよばれます。代表的なものはデパスやハルシオンといったベンゾジアゼピン系です。ベンゾジアゼピン系の薬は抗不安効果や筋弛緩作用をもつものが多く、抑制系の神経伝達物質であるGABAに作用し、不安や緊張やうつ状態、興奮といった状態の脳からそれらの不安などを取り除く効果がある薬になります。

緊張や不安で寝付くことができない不眠状態にも効果があり、不眠症の人にも睡眠薬として使用されることもあります。

抗不安薬の多くは即効性があり効果時間が短いものが多いため、症状があらわれたときに一時的に緩和させる頓服薬として使われることが多いです。

うつ病や不安症状は内容やはっきりとした症状の境目が非常にわかりづらいためほとんど同じではないかと思うかもしれませんが実は違います。そして抗うつ剤と抗不安薬についても薬が作用機序が違うため似ているようで非なる薬となります。

抗うつ剤と抗不安薬の作用の仕方の違い

抗うつ剤と抗不安薬の作用の仕方の違いですが、上記内容でも書きましたが、抗うつ剤は服用してから効果を体感できるまでに時間がかかるのですが、抗不安薬は早い薬だと1時間程度で効果を得ることができます。ただし、耐性や依存性を持っている薬もあるため、服用し続けることで薬に慣れてしまい効果が弱く感じるようになったり、薬に依存をしてしまうというリスクがあります。

このように抗うつ剤と抗不安薬は神経系や精神的な部分、そして心の状態の改善や解消に利用するという部分では同じ方向を向いている薬ですが、うつ病を時間をかけ治療していく抗うつ剤と、即効性があり、不安や緊張、興奮やあがり症、不眠といった症状を一時的に和らげるために使用する抗不安薬とでは基本的な使用用途が異なります。

このようにその症状によってどちらの薬が適切なのかは異なります。うつ状態で不安症状もある状況では抗うつ剤と抗不安薬の両方を服用する場合もあるということになります。

pagetop